ゆめうつつ

刀剣乱舞・文豪とアルケミスト関連の二次小説。主にコメディ中心。

2016-12-17から1日間の記事一覧

食堂 ~第一会派~

「ふむ、面妖な。秋声、これはいかようにして食するのだ?」 目の前に置かれた皿を前にして尾崎紅葉は問いかけた。薄く切った四角い形をしたパンにカツレツというものがはさんであるが、なぜか箸もフォークとやらも添えられていない。 傍らで配膳をしていた…

主と刀と ~山姥切国広~

日当たりのよい縁側の廊下をゆっくりと目的の場所に向けて歩いていた。いつもは誰かとすれ違う廊下だが、今日は不思議と誰とも会わない。 冬の季節とはいえ、風がなく日が当たれば昼間は外に座っていても程よく体が温まる天気だ。こんな日はきっと一日を過ご…

池田屋 ~安定・清光~

夜の静寂を引き裂くような掛け声とともに池田屋へ新撰組の隊士が白刃を抜いて乗り込んでいった。 浅葱色に染めただんだら模様の羽織が闇夜にひらめく。その様子を池田屋の屋根の上から冷めた目で眺める者たちがいた。 「行ったみたいだね」 「今回も何とか間…