ゆめうつつ

刀剣乱舞・文豪とアルケミスト関連の二次小説。主にコメディ中心。

2016-12-16から1日間の記事一覧

大阪城 ~弟探索~②

本丸にしつらえられた転送装置の前で大阪城に出陣する刀たちが集められていた。 朱色に塗られた鳥居の向こうは時空をゆがめられているせいか、間からのぞく空間が歪に揺らめいていた。当本丸ではこの鳥居を潜って時空を渡った刀たちは様々な時代の流れの中で…

大阪城 ~弟探索~①

「大将おまたせ、包丁連れてきたよ!」 すぱんと軽快な音を立てて障子が引きあけられて、大阪城に行っていたはずの信濃藤四郎が現れた。 審神者の部屋にいた山姥切、長谷部がそちらに顔を向ける。 「もう50階まで到達したのか。早かったな」 「ふふっ、短刀…

秘宝の里 ~札~

本丸から転送されて舞い降りたそこは深い霧の立ち込める寂れた山里だった。 どこまでも白く先は見通せない。 ここが昼なのか、夜なのか、それすらもわからなくなる。 「感覚が狂うな、ここは」 誰かがそうつぶやいた。 「道もわからねえ。どうすんだ、隊長」…