ゆめうつつ

刀剣乱舞・文豪とアルケミスト関連の二次小説。主にコメディ中心。

2017-05-01から1ヶ月間の記事一覧

遊びをせんとや ~鶴丸国永~

現世はまこと面白き。 遥か昔に聞きし懐かしきその調べを知らず知らずのうちに口ずさむ。 ――遊びをせんとや生まれけむ 審神者の力により本丸にこの身が刀より生じてから、人の身であるのは刀生にしてほんの瞬きに過ぎない。だが、館の奥深く、時には陽の光の…

大阪城 ~黒田組~

「さあ待ちに待った大阪城ばい!」 こぶしを振り上げて、隊長に任命された博多藤四郎は元気よく威勢を上げた。だがほかの面々はどこか冷めたような表情をしている。 頭の後ろに両手を組んで厚藤四郎が呆れた声を出した。 「おまえ大阪城もう何回目だよ。いい…

秘宝の里 ~隊長 長曽祢虎鉄~

「最近退屈すぎるよね。俺たちずーっと本丸にいるし。道場の手合いも飽きたし、そろそろ外にでも出陣して敵の首落としたいんだけど」 部屋でごろごろしていた大和守安定が急に真顔になって物騒な言葉を言い放った。だが同じ部屋にいる新撰組の面々は一瞬彼に…

秘宝の里~隊長 同田貫正国~

「こいつで最後だ」 地面に横たわったままわずかに動いていた敵の短刀に容赦なく切っ先を突き刺した。 情けは無用だ。殺らなければ殺られる。情にほだされて逃せばいずれまた自分たちの命を狙いに来る存在だ。 こいつらと俺たちの間には相容れるものなど何も…