ゆめうつつ

刀剣乱舞・文豪とアルケミスト関連の二次小説。主にコメディ中心。

江戸城~村正探し~

「僕が隊長で本当にいいのかな」

 何もない空き地を先頭に立って踏みしめた小夜左文字が足元を見ながらぽつりとつぶやいた。

 進んだ先はまたはずれだ。選ぶ道は今日もどうも引きが悪い。昨日だって二回は江戸城の最奥まで到達できずに、本丸へと引き戻された。

 彼らは今江戸城の特別任務を遂行するための部隊に選ばれてこの時代へと飛ばされた。だが任務をこなすにつれて隊長を務める小夜の表情が暗くなっていくことに幾人かの同じ部隊の刀は気づいていた。

 うつむいて動かない小夜に傍らにいた誰かが優しく語りかけた。

「小夜さんは主さんにぜひといわれて隊長に任命されたんですよ。それだけ信頼されている証じゃないですか。自信持っていいと思いますよ」

 淡い色合いの髪をふわりと揺らして、物吉貞宗がやさしげな表情で微笑んだ。彼の声は心の中の負の闇に落ち込んでいた小夜を現実へと引き戻す。

 顔を上げて少し高いところにある物吉を見つめ返した。

「そうかな」

「そうですよ。だって小夜君が何も言わないけど頑張り屋だってことはみんな知ってますから」 

 自分の手を握り締めたその指先は白くほんのりと温かかった。かすかに頬を赤くした小夜は照れて彼の顔が見れなくなってまたうつむいてしまった。

「そうなんだ・・・」

「君のせいではないよ。あそこで言い争っている彼らのほうが問題だと思うけどね」

 いつの間にかそこにいたのか、蜂須賀虎鉄が渋い顔をして後ろで騒いでいる者達を指さした。

「だーかーらー、こっちは絶対ダメだって。さっき外しただろ」

「何を言う。出陣ごとに何が出るか変わるはずだと言ったのは貴様だろう。ならば先ほどはずれだとしたら今度は当たりだ!」

 短刀の厚藤四郎と太刀の大包平がまるで子供の喧嘩のように争っている。見た目が少年の厚はともかく、あきらかに長身の大包平が青筋を立てて本気で言い争っているのはどう見ても大人げない。

「またやっているんですか、あの二人」

「結局彼らの指し示す方角に進んでいるんだ。だから小夜、君のせいにはならないと思うけどね」

「ケンカするほど仲がいいっていうでしょう。あのくらいならかわいいんじゃないですか?」

 屈託なく笑顔で言ってのけた物吉は人がいいのか、世間ずれしていないというのか。生真面目な蜂須賀の眉間のしわがまた深くなる。

「厚も本丸で粟田口のみんなといるときは落ち着いている方なのに、下の兄弟がいないとあんなになるんだね」

 厚とは黒田で一時期一緒だった。でもこの本丸で再び出会った後もまた知らない彼の一面を垣間見る。それは彼から見た僕も同じだろうか。

「あとで彼らの保護者の一期一振と鶯丸に注意するように言っておくよ」

「苦労しますね、蜂須賀さん」

「とにかく今回の目的は鍵を千個集めることだろう。集められれば主念願の村正を本丸に迎え入れられる。・・・遠い目をしてどうしたんだい、物吉」

「いえ、蜻蛉切さんが苦労しそうだなあって思いまして。いえ、悪い人ではないと思うんですけど」 

 

 鍵千個で千子村正

 今回のイベントは初めてのパターンなので割と簡単でした。だから部隊もレベル上げ編成で。

 村正は噂以上にすごい刀でした。いろいろと。

 

2017年江戸城潜入調査 

江戸城探索部隊

 隊長 小夜左文字

    大包平

    厚藤四郎

    物吉貞宗

    鳴狐

    蜂須賀虎鉄

鍵1629個 取得

 

                = TOP =