ゆめうつつ

刀剣乱舞・文豪とアルケミスト関連の二次小説。主にコメディ中心。

連隊戦 ~昼夜変転~

 最後の敵を刺し貫く。引き抜かれた刃が大地を照らす最後の陽光に煌めいた。

 夕暮れの陽に赤く染まっていた街並みはいつの間にか薄暗くなろうとしている。空は藍に染まり、やがてあたりは闇に閉ざされるだろう。

 迫りくる夜の気配を感じて目を眇めた。

 また空間が変化する。ここではないその場所へ、強制的にうつされる。

 雪の残った町の広い路地の中にいたはずなのに、気づけば真っ暗などこかの室内に移動していた。

 敷き詰められた畳の間、襖に描かれる素朴でありながらも存在感のある水墨画の絵。天井は思ったよりも低く、長い刀を振るう太刀勢が戦うには不利。

 ただそれら室内の状況も夜目の効かぬこの身にはおぼろでしかわからない。いくら目を凝らしても部屋の中はぼんやりとしか映らない。

 三日月は刀を片手で握ったまま力を抜いた。気負っても無駄とわかっている。

 目はよく見えぬ。ろうそくにともされた灯も、月や星の光すらも届かないとなれば、この時代の夜は深淵の闇に閉ざされる。

 敵の気配はする。襖の向こうの闇の中からこちらをうかがうように見ているのはわかる。

 だがいかんせん暗すぎる。闇に気配を溶け込ませているせいか、敵の位置も、どのくらいの数がいるかすらも判断できない。

(さて、どうするか)

 首を軽く傾げて考え込んだとき、どこからか声が聞こえた。

「夜は僕らの戦場です」

「ここは俺たちに任せろ!」

「もうあなたのやくめはおしまいです。どいてください、みかづき

 口々に叫ぶ自信に満ちたその声に、三日月はふっと笑う。

「そうであったな。では後は任せるとするか、夜の申し子たちよ」

 手にした刀を横に薙ぐ。すると三日月たち第二部隊の姿が闇の中に消えていった。

 彼らの姿が消えると同時に短くも鋭い刃が六振り、闇夜に燦然と煌く。

 闇から生まれ落ちたかのように現れた者は、子供の姿をしながらも決して臆することなく、不敵な笑いを敵に向かって浮かべた。

「さあさあ、ぼくらといっしょにあそびましょう!」

 その声を合図に美しい刃の軌跡が闇の中に乱れ舞った。

 

 

 連隊戦大将戦専門部隊との交代模様です。

 夜戦での極短刀部隊はめっちゃ強い。夜戦実装されてから短刀の子たちは生き生きしてますね!

 ただ経験値がすごい必要だからレベリングはものすごく大変だけど。

  

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