留守番 ~安定・清光~
「ずるいー、どうして清光だけ出陣なのさ」
畳の上にごろごろ転がりながら安定は頬を膨らませた。
出陣の準備で戦装束に着替えていた清光は呆れた顔でだらしなく寝転がる相方を見下ろした。
「それはお前が昨日練度をカンストさせたからだろ。この本丸のルールは練度が最高値になった奴は部隊から外れて留守番って決まってるの。忘れたの?」
「そうじゃなくて、清光だけ池田屋に行くのがずるいんだよ! 僕だって池田屋行きたい! 沖田君をこの目で見たい!」
「お前、ついこの間には僕は違うんだみたいなかっこいいこと言ってたくせに、なにそのぐだぐだ!」
「だって池田屋に颯爽と乗り込む沖田君はかっこいいんだもん。清光だってそうだろ。何度見てもいいじゃないか!」
畳の上で手足をバタバタさせた安定はむんずと清光の足をつかんだ。
「僕も連れてって、清光!」
「何言ってんの、できるわけないだろ。俺が隊長の長曽祢さんに怒られるし、それにお前、今日は内番入ってるんだろ。書庫整理、相手があの長谷部なのにこんなところで寝転がってていいの」
「だから嫌なんだよー、書庫に鬼みたいな長谷部と二人っきりってどんな罰ゲーム? ねえ、僕なんか悪いことした?」
うるうると涙目になりながら、小動物のように清光を見上げた。そんな目で見つめられて一瞬うっと詰まった顔をした清光は、振り切るように目をそらした。
「絶対だーめ! とにかく俺はもう出陣の時間だから。お前は頑張って長谷部の相手をしてな」
「うー、清光のばかー!」
泣き叫ぶ安定を置いて、清光はやれやれと転送の鳥居へと向かった。
安定カンストおめでとう記念・・・にならないかな?
清光より先にカンストしてしまったので、本丸でお留守番。もうすぐ清光もカンストなんで待っててください。
安定も清光も沖田君のことが大好きなんですよね。きっと。
そばにいられなくても遠くから見るだけでもいい。
だからきっと池田屋いかなくなったらさびしくなりそう。
打刀 大和守安定 二〇一六年十二月二十日 練度最高値到達
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