ゆめうつつ

刀剣乱舞・文豪とアルケミスト関連の二次小説。主にコメディ中心。

刀剣乱舞

返礼② ~その後~

【注】返礼①を読めない方は三日月が山姥切にいたずらを仕掛けた後と思ってくれれば何とか読めるかも。 ですがほんのりみかんばです。まだ片方よくわかってません。 触れるギリギリのところで三日月の動きが止まる。自分を見つめていたその眼が、切なげにふっ…

返礼① ~山姥切・三日月~

【注】最後にほんわかみかんば要素あります。 でも付き合ってはいません。しかも片方は現状をよくわかってません。 苦手な人は積極的な回避を 「国広や、そこにおったか」 本丸の庭に面した縁側の廊下を山姥切国広がぼんやりと歩いていると、三日月宗近に見…

刀剣入手と覚書

○自分本丸の刀剣入手順(年月はあいまいなのでかなり省略) 書き出すとあとで便利だね・・・そして記憶はあいまいだね (2017/12/18現在) 【注】練度カンスト ★極 山姥切国広(初期刀) 厚藤四郎(初鍛刀)★ 愛染国俊★ 五虎退★ 今剣★ 歌仙兼定 前田藤四郎★ …

刀剣乱舞 自分本丸設定①

ぼんやり考えていた設定をまとめてみようと。 自分本丸設定なのでこれを見て苦手な方は本編の閲覧注意を。 覚書なので特に見なくても読めるとは思います。 随時修正あり。【注】一部CP要素、メタ発言あり。 【審神者】 男子中学生くらいの少年。相模国の審神…

秘宝の里 ~隊長 山姥切国広~

「今日、和泉守の楽器がそろったそうだよ。これで現時点で全員分の近侍曲を受け取ることができますね」 小さな背丈を大きく見せるかのように、背筋を伸ばして正座をしている主は最近落ち着いて凛とした雰囲気をまとうようになっている。それはただ姿勢がいい…

秘宝の里 ~隊長 和泉守兼定~

障子を開け放つと和泉守は元気よく叫んだ。 「長曽祢さんよ、俺たちと出陣しねえか・・・って、おめえら!」 部屋の真ん中で両腕に加州と大和守をぶら下げて座り込んでいる長曽祢が申し訳なさそうに手を挙げた。 「すまんな、先約が入っちまった」 「遅いよ…

秘宝の里 ~隊長 宗三左文字~

「小夜と一緒に出陣できないとはどういうことですか!」 近侍の仕事部屋を訪れた宗三左文字は山姥切に抗議の声をあげた。だが彼は自身に向けられた非難にも顔色一つ変えず、ただ静かに見返す。 「小夜左文字は第三陣で出陣した長谷部の部隊に入っている。今…

秘宝の里 ~隊長 へし切長谷部~

「我が隊は敵陣突破を最優先に編成を行う。ゆえにほかの奴らのように、情や好みによって人選をするなどもってのほかだ」 早々に宣言した長谷部は机の上に今までの戦績を記した帳面を積み重ね、ずっと熟考している。 机に向かったまま小一時間動こうとしない…

後味 ~山姥切・三日月~

三日月宗近という名を持つあの刀はよくわからない奴だと思う。 俺よりもはるかに長い時代を渡ってきた刀ゆえか、突然あちこちに飛んでゆく思考も全く理解できないし、次に何をするか単純な行動すら予想もつかない。 そもそもこの国の歴史にその名を残す名刀…

秘宝の里 ~隊長 大和守安定~

「さあ、誰と一緒に出陣しようかな」 「おまえねー、万屋に行くみたいに気軽に言ってんじゃないよ」 貸してもらった名簿を見ながら、大和守は顎に指を当てて暢気な声をあげた。隣にいた加州がすかさずそれを諌める。 「あそこは相当強い敵が出るって言ってた…

秘宝の里 ~順番~

「第一陣は前に伝えたとおり陸奥守が隊長で出陣する。それで次に出陣する順番だが該当する者達で話し合いを・・・」 説明している山姥切の言葉を思いっきり遮って、大和守が威勢よく手を挙げた。 「はいはいはい! 僕行きたい!」 立ち上がってアピールする…

御神力 ~石切丸~

紙垂が大きく左右に振れながら幣が払われる。室内にしつらえられた白木の神棚に向かって石切丸は厳かに祝詞を唱え、深く一礼した。 そして正座したまま手を使って静かに後ろに向き直る。 「主、審神者としての修行の成果はいかがですか?」 両掌を胸のあたり…

黒田組 ~へし切・日本号~

「よう、長谷部。相変わらず堅苦しそうなつらしてるな」 今日も気安げな日本号の言いざまに、長谷部は思わず顔をしかめる。無言で睨み付けているにもかかわらず、気づかないのか気づいていないふりをしているのか、日本号は日参して長谷部を酒に誘う。 「ま…

秘宝の里 ~隊長 陸奥守吉行~

「待ちに待った出番ぜよー!」 喜び勇んで両腕を天に突き上げた陸奥守は目を輝かせて振り向いた。 「めんばーはわしが好きにきめてもええんじゃな?」 「ああ、最終まで確実に到達するために大太刀を二振り入れれば、あとは隊長権限で好きに決めてかまわない…

立合い ~大包平・天下五剣~

「なんで今日も僕たちが立合いを見てなきゃなんないわけ? そもそも僕たち内番じゃないじゃん」 両手を後ろ手に組んで大和守は不満げに頬を膨らませた。加州はそんな相方の不満を容赦なく一蹴する。 「しかたないだろ。主が俺たちにって頼んだから。文句言わ…

伊達者 ~太鼓鐘・燭台切~

食卓の上に置かれたずんだ餅をまったく手を付けないで、太鼓鐘貞宗は眉を寄せながらじっと見つめていた。 「どうしたの貞ちゃん、ずんだ餅食べないの。もしかして実は嫌いだったとか・・・」 おやつを配り終えた燭台切がいまだ食べようとしない太鼓鐘に慌て…

褒美 ~三日月・山姥切~

「やっと連れてまいったぞ」 出陣から帰ってきた三日月が戦装束の袂をひらりとよけさせると、その後ろから子供の姿をした短刀が現れた。青みがかった髪を後ろに一つで結わき、自信に満ちた笑顔を浮かべた短刀は開口一番に元気な名乗りを上げた。 「俺は太鼓…

顕現 ~数珠丸~

「切国、みんなは・・・」 手入れ部屋の前で立っていると、息を切らして主が廊下の向こうから現れた。そういえば主がついてくるのを待たずに外へ飛び出したのをいまさらながらに思い出す。 打刀の中でも機動の早い山姥切に、人間の、しかも体力などかけらも…

捜索 ~江戸城~

「で、俺たち短刀は次どこへ行けばいいんだ?」 先ほど無事日本号を見つけて本丸に帰ってきた第三部隊の短刀たちは主の部屋で次の指示を待っていた。 いままでの出陣記録を閉じた記録帳をめくりながら考え込んでいた山姥切が難しい顔をして厚たちの方を見た…

捜索 ~池田屋~

「俺が隊長だからねー。じゃあ、厚に薬研に後藤、いくよー」 隊長になったことでついに自分の力が認められたとご機嫌な信濃は元気に後ろからついてきているはずの皆に声をかけた。 けだるげな後藤が口を曲げた。 「ちぇっ、あいつのほうが先に来ているからっ…

軍議 ~日本号・太鼓鐘捜索~

「本日各部隊の隊長に集まってもらったのは現状報告と今後の方針を確認するためだ」 主の部屋に集まった各隊長を前にして立ち上がっていた長谷部は冷静な態度を欠片も崩さずに厳しい声音で言い放った。その隣には彼に全権をゆだねた主が目を閉じて静かに正座…

登山 ~国広兄弟~

岩の頂上に手をかけた。からりと小さな小石がすぐ横を落ちていく。 零れ落ちた石は乾いた音を響かせながら、やがて崖の下へと見えなくなった。 石を追っていた目線を再び上に向けた。登って行く先に一応足場はある。だが広くはない。少しでも足を踏み外せば…

就任二周年 ~本丸~

「・・・黒という色は確かに現代の世にあって正装を意味するものかもしれないけれど、やはり無粋だね。皆がかしこまって同じ色というのは実に面白味がないよ。雅ではないな」 つらつらと文句を言いつつも歌仙は手慣れたしぐさで主の帯を締めた。体にぴったり…

枝豆 ~燭台切・大倶利伽羅~

「みずみずしい青菜だね。大根たちも白い肌が今日もきれいだよ。どう料理したら君たちは喜んでくれるだろうね」 畑の真ん中で冬野菜を収穫している燭台切は一つ一つ大事に手に取ってうっとりと眺めている。 「おい、そんなことをしていると日が沈んでも終わ…

写しの刀 ~後日談~

帰ってくるなり戦塵まみれた戦装束を解きもせず、一目散に審神者の部屋へ突撃してきた山姥切はあきらかに怒っていた。 乱暴に廊下から障子を引きあけると、何事かとびっくりしている主の顔面に膝をついて身を乗り出した。 「・・・あんたは全部知ってて俺を…

写しの刀 ~ソハヤ・山姥切~

「現在まで連隊戦を戦ってみたところ、第一部隊は第七局まで、第二部隊は第八、九局、そして第三部隊は敵大将のいる第十局という体制で戦えば無理なくこなせそうだ。そのため空となった第四部隊には現在本丸でも最も低い練度の刀と来たばかりの刀を配置して…

妖異 ~にっかり・石切丸~

冬の夕暮れは早い。太陽がもうすぐ沈むだと思ったらもう空は夜に包まれ紫紺に染まろうとしている。 夕の刻限は現実と異界との境界が淡いになる。この頃になると人が人でなくなったうつろわぬ者達が迷い出でる。 ただの者ならば見ることはない。だが一度彼ら…

連隊戦 ~隊員交代~

「第一部隊は陸奥守吉行、および骨喰藤四郎が練度最高値到達により、部隊から離脱。補充として蜂須賀虎鉄、および浦島虎鉄が編入される」 部隊配置の指示書をめくりながら、第一部隊を前に山姥切が新たな部隊編成を通達する。 新たに第一部隊として呼ばれた…

正月 ~三日月・鶴丸~

宴の喧騒は耳うるさいほど賑やかなはずなのに、心に届くにはどこか遠い。 この広間にどれだけの刀がいようとも、目に入るのはただ一振りのみ。 けして振り向かぬ、触れられぬ、それでも追わずにはいられない。 ――――それは決死の戦場で黄金の光を煌めかせる若…

正月 ~酒宴~

「逃げなかったようだな、山姥切国広。その度胸だけは褒めてやる」 酒瓶を抱えて完全に眼を座らせながらこちらを睨み付けてくる長谷部を見て、山姥切は戻ってきたことを深く後悔した。 長谷部のそばで手酌で飲んでいた薬研を恨めし気に見やる。 「つぶれてい…